植物毒の「現地合成」でがん細胞の増殖阻害に成功 副作用をもつ抗がん剤を見直し、新規治療法へ
要点 植物由来の毒性成分であるピロリジジンアルカロイドは、肝臓で代謝されることで活性本体へと変換され、肝毒性を引き起こす。 ある種のピロリジジンアルカロイドは、かつて抗白血病治療薬としての開発が試みられたが、肝毒性のために開発は中止された。 金触媒を用いて、ピロリジジンアルカロイドの活性本体へと直接変換可能な化合物(前駆体)を新たに設計し、その合成経路を確立した。...
View Articleコンピュータ解析で意義不明変異のなかに治療標的となる新たな遺伝子変異を発見 がんゲノム医療のさらなる拡大へ向けた一歩
要点 がんゲノムデータベースに登録される約7万種類の遺伝子変異のコンピュータ解析により、RETがん遺伝子に新たな治療標的となる遺伝子変異があることを発見しました。 がんゲノム医療の現場で同定される意義の不明な遺伝子変異の中には、既存の抗がん剤の治療効果が見込まれる治療標的変異が含まれていることが示されました。...
View Article熱化学電池の蘊奥を開く 熱を電気に変える液体技術の予測設計に道
要点 「熱化学電池」は電解液につけた温度差と電極面での可逆反応から発電する技術 電圧や電流を決める根本因子やそれらの値の理由を説明する規範は未解明だった 前世紀に発達した溶液理論と量子化学計算とを組み合わせてこれらの疑問を解明 性能予測設計に道を開き、熱化学電池の社会実装に向けた開発を加速させる成果 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所の村上陽一教授と工学院...
View Articleタンパク質の翻訳後修飾を単分子検出する手法を開発 がんに対する次世代医療への応用に期待
要点 タンパク質1分子の翻訳後修飾(リン酸化)を検出できる手法を開発 試料を1 nm以下の電極間の隙間に捕捉し電気計測により検出 リン酸化の単分子解析によってがん患者個人に最適ながん治療の実現に期待 概要 東京工業大学 理学院...
View Article無細胞タンパク質合成を用いた迅速なタンパク質結晶の合成 微量で素早いナノ結晶合成でタンパク質の構造解析をスピード化
要点 従来のタンパク質の合成・結晶化にかかる期間を大きく下回る24時間で完了 わずか20 µLの反応から得られた数百nmのタンパク質結晶に対し、高分解能による構造解析も可能に 医薬品開発などに必須となる、タンパク質の構造解析の迅速化・大規模化に貢献 概要 東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の安部聡助教、田中潤子大学院生、小島摩利子大学院生と上野隆史教授のグループは、理化学研究所...
View Article極低温で動作する光変調器の高速動作に成功 量子コンピュータや超伝導マイクロプロセッサ活用に欠かせない極低温から室温への高速信号伝送に期待
要点 電流によって駆動する磁気光学変調器を開発し、極低温で高速の光通信を実現 シリコンフォトニクスを使った、汎用性の高い光集積回路を利用 量子コンピュータや超伝導マイクロプロセッサといった次世代技術のポテンシャルを最大限に生かす、高速なデータ伝送に期待 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所の庄司雄哉准教授、工学院...
View Article最小要素のチップレット集積技術を開発 広帯域接続と集積規模のスケーラビリティを実現
要点 広帯域チップ間接続性能と集積規模拡大に優れたチップレット集積技術を開発 微細な“MicroPillar”を用いたシリコン・ブリッジ接続構造と“All Chip-last”と呼ぶ製造プロセスによるチップレット集積技術を開発 汎用性の高いチップレット集積技術により、鈍化が見込まれる微細化に代わって今後の半導体集積回路システム技術の進化を加速 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院...
View Articleアルコールから高価値化成品を合成する 安価なマンガン触媒の創出 貴金属フリー触媒開発に貢献
要点 バイオマスに含まれるアルコールから高価値化成品を合成する触媒を開発 安価なマンガンの作用機構を明らかにし、貴金属フリー触媒系の構築に寄与 マンガンの酸化数が触媒性能に与える影響を解明 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院...
View Article東京工業大学基金奨学金「みらい創造高専起業奨学金」を設置 イノベーションの源泉である高専からの編入生を応援
東京工業大学はこの度、高い技術力と専門性をもつ高等専門学校(以下、「高専」)からの編入生を応援し、本学において、確かな専門性を身につけながら、リベラルアーツを学び、技術や研究をコアにした起業を志す人材の育成に資することを目的として、株式会社みらい創造機構からのご寄附により「みらい創造高専起業奨学金」を設置しました。本奨学金は10月7日より奨学生の募集を開始します。...
View ArticleCOVID-19が持続可能な開発目標SDGsに与える影響 持続可能な社会の構築が社会のレジリエンス向上につながる
要点 COVID-19に関連する統計データを用いて、パンデミックとSDGsの進捗の間にある相関を世界規模で算定した。 対象国の3分の2以上で目標5、7、8、11、12への負の影響が見られ、所得水準の低い国ほどパンデミックの影響が大きいことが示唆された。...
View Articleレアメタル不要の巨大人工分子の開発に成功 ウイルスを模倣した自己精密集積化を実現
要点 ウイルス構造を模倣し、独自のピンセット分子から蛍光性環状6量体を構築 酸性条件では環状6量体がさらに集まり、空洞をもつ巨大球状集合体を形成 レアメタル不要の分子構築によって持続可能社会の実現に貢献 概要 東京工業大学 理学院...
View Article国立大学法人東京工業大学と国立大学法人東京医科歯科大学の統合に向けた基本合意書を締結
国立大学法人 東京医科歯科大学(学長:田中雄二郎)と国立大学法人 東京工業大学(学長:益一哉)は、両法人並びに両法人がそれぞれ設置する東京医科歯科大学と東京工業大学を統合し、1法人1大学とすることについて合意に達し、本日、10月14日に基本合意書を締結しました。統合に関する正式決定は関係法規に則って進められ、統合時期は2024(令和6)年度中を目途として、できる限り早期の統合を目指します。...
View Articleヒトの注意における『右脳の優位性』を解明 「人間にとってなぜ右脳が重要なのか」を解き明かすヒントに
要点 空間認知における右脳優位性に脳の島皮質が関与していることを実証。 高い時間分解を持つ脳波実験と高い空間分解を持つfMRI実験によって、脳の島皮質の活動を推定。 右脳の損傷により左側の空間を認知できないという「半側空間無視」の症状のメカニズム解明に貢献。 概要 東京工業大学...
View Articleリュウグウは太陽系の果てからやってきた リュウグウが持つ原子核合成の記録がリュウグウの誕生地を示唆
要点 Cb型小惑星「リュウグウ」の鉄の同位体組成がイヴナ型炭素質隕石と同じことを解明。 Cb型小惑星「リュウグウ」の鉄の同位体組成はイヴナ型以外の他のどの炭素質隕石とも違うことが判明。 リュウグウとイヴナ型炭素質隕石は天王星・海王星領域で生まれたことを示唆。 概要...
View Article生命由来の有機分子を見分ける新手法を開発 生物由来のエタン分子が持つ特徴的な13C-13C結合度
要点 生物が作った有機分子と無機的にできた有機分子を判別する新しい手法を開発した。 無機的につくられたエタンガスは、生物由来のものと比べて、13Cを2つ含む分子(13C2H6)の割合が少ないことを実証した。 この手法を応用すれば、地球外で見つかる有機分子に生命の痕跡があるか判別可能になると期待される。 概要 東京工業大学 理学院...
View Articleナノ構造誘起法による強磁性ナノワイヤ 高保磁力単結晶ナノワイヤの新しい作製方法
要点 線幅30 nmの極細線強磁性ナノワイヤを新しい「ナノ構造誘起法」により作製 作製した強磁性ナノワイヤが高保磁力のL10規則化単結晶構造を持つことを確認 シリコン基板上に高保磁力単結晶ナノワイヤをアニール処理のみで作製する新たな手法として期待 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の真島豊教授の研究グループは、線幅30...
View Article細胞内で破壊された核膜の修復機構におけるラミン分子の役割を解明 心筋症・筋ジストロフィーなどの病態理解や治療への応用に期待
要点 細胞の核膜の一部が破壊されると核膜タンパク質であるラミン分子のうちラミンCのみが迅速に集積することを発見。 ラミンCは、核膜タンパク質の運び屋であるBAFと結合することで、迅速に集積することを発見。 核から飛び出したDNAとDNAセンサーであるcGASが結合することに、ラミンCが関与していることを発見。 細胞内で破壊された核膜が修復される様子 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院...
View Article東工大参画の提案がJSTの共創の場形成支援プログラム(共創分野・本格型)に採択 理工学・医科学と人文学・社会科学の学際・融合研究をリード
東京工業大学が参画機関としてまとめた提案「レジリエント健康長寿社会の実現を先導するグローバルエコシステム形成拠点」(代表機関:公益財団法人川崎市産業振興財団(KIIP))が10月25日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)...
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