地震波速度と電気伝導度を統合解析し、地球内部の水やマグマをとらえる
要点 地震・火山活動および地球全体の進化に重要な役割を担う「地球内部の液体(水やマグマ)」が、どこにどれだけ存在するかをとらえる解析方法を開発した。 地球内部の地震波伝播速度と電気伝導度を統合解析し、岩石と液体の種類、量比、分布形状を、地殻-最上部マントルの広範囲で推定できるようになった。 地震や火山活動の主な場である深さ60...
View Articleカリフォルニア州バークレーに国際協働推進拠点「東工大ANNEXバークレー」を開設
東工大の国際協働推進拠点を日本学術振興会サンフランシスコ研究連絡センター内に開設 基礎から応用に至る共同研究、東工大発ベンチャーの米国展開支援を通じたイノベーション創出、新たな連携教育プログラム構築を推進 融合領域での大型共同研究、オープンイノベーションを促進 東京工業大学は、米国カリフォルニア州バークレーに、国際協働を推進する海外拠点「東工大 ANNEX...
View Article令和3年度 戦略的創造研究推進事業ERATOに採択 元素固有の色を可視化し、宇宙と医療をつなぐ新しい架け橋「ラインX線ガンマ線イメージング」を提案
発表のポイント 元素固有の色を可視化する革新手法「放射化イメージング法」を提案 宇宙から人体まで、あらゆる物質の動態を同じ技術で可視化(1) 宇宙観測では、小型衛星で未踏の先端科学を開拓(2) 医学では薬物動態を迅速に可視化する新しいツールを開拓 概要 東京工業大学 理学院 物理学系の谷津陽一准教授ならびに大阪大学 大学院医学系研究科の加藤弘樹准教授をグループリーダーとし、早稲田大学...
View Article重いIV族元素を用いたダイヤモンド量子光源の光学特性を解明 量子ネットワークへの応用に期待
要点 ダイヤモンド結晶内で重いIV族元素である鉛(Pb)原子を用いた量子光源(PbV中心)を形成。 2,000℃を超える加熱処理による高品質形成に成功するとともに、光学特性を世界で初めて解明。 優れた光学特性とスピン特性が両立する可能性から、量子ネットワークへの応用に期待。 概要 東京工業大学 工学院 電気電子系の岩﨑孝之准教授と波多野睦子教授、物質・材料研究機構...
View Article燃料電池の非白金化に繋がる新物質を開発 酸性電解質中でも安定な十四員環鉄錯体による代替触媒を実現
要点 燃料電池自動車の触媒に鉄を使おうとする場合の課題であった“酸性電解質中での安定性”を大幅に向上させた、「十四員環鉄錯体」を新たに開発。 同錯体は、酸性電解質中において安定で、かつ酸素還元触媒活性を示す。 高価な白金に代わる新触媒として、燃料電池、燃料電池自動車への活用に期待。 概要 東京工業大学 物質理工学院...
View Article発電ができる新世代冷却技術「レドックス・フロー熱電発電」の実用性を初めて証明 実用性をもつ高発電密度10 W/m2超を達成
要点 排熱源を「冷やしながら発電する」新世代冷却技術の劇的な発電性能向上 高性能作動液の開発により、2019年の原理実証報告時より1桁以上高く実用性をもつ10 W/m2超の高発電密度を達成 硬貨サイズの発熱面冷却でLEDの連続同時点灯などを実証、実用化に前進 概要 東京工業大学 工学院 機械系の村上陽一准教授、同研究室博士後期課程学生...
View Articleフェムト秒の光パルス照射で縦波光学フォノンをコヒーレント制御する、量子力学に基づく理論を構築 拡張されたモデルで偏光依存性の再現が可能に
要点 理論計算により、半導体における光学フォノンと電子の結合状態のコヒーレント制御に関する新たな理論モデルを構築 直交偏光した2つの光パルスを照射することで、光による干渉の影響を受けずに、電子における干渉の状態を観測できることを予測 本理論モデルの活用により、励起光パルスの任意の偏光の取り扱いが可能 概要 東京工業大学 物質理工学院...
View Article微生物叢中のゲノム配列を長く正確に決定する新手法 未知の種や変異株のゲノム配列決定を促進
要点 微生物叢中のゲノム配列決定用ソフトウェア「MetaPlatanus」を開発 実データのテストで、全長に近い微生物ゲノム配列を多く決定することに成功 従来手法より効率的に未知の種や変異株のゲノム情報を収集できる可能性 概要 東京工業大学 生命理工学院...
View Article岡山県産鉱物「逸見石」が示す新奇な磁性 特徴的な結晶構造が量子力学的なゆらぎを生み出す
要点 岡山県で産出する逸見石(へんみいし)が量子力学的なゆらぎ[用語1]の強い反強磁性体[用語2]であることを、放射光や理論計算、極低温物性測定を用いて発見しました。 放射光X線回折実験[用語3]により、逸見石が従来の報告とは異なる結晶構造を持つことが分かりました。 今回決定した結晶構造が、量子力学的な特徴の出現の鍵になることを突き止めました。...
View Article酸化物に圧力を加えて、熱電変換における電気伝導率と熱起電力のトレードオフ問題を解決 熱電変換出力を2桁増大
要点 LaTiO3に人工的に圧力を加え、絶縁体から金属状態へ変化させることで、高性能な熱電変換材料を開発 電気伝導率と熱起電力の両方を同時に増加させ、熱電変換出力が2桁増大 従来の理論を超えて熱電性能を大きく向上させる新技術として期待 概要 東京工業大学 科学技術創成研究院...
View Article力を受けると蛍光性分子を放出する有機過酸化物を開発 圧縮すると蛍光を発する高分子フィルムに展開
要点 力を受けると蛍光性の低分子を放出する有機過酸化物を開発 蛍光性がない分子骨格から蛍光性分子を放出するメカニズムを解明 開発した有機過酸化物を利用した力学応答性高分子材料の作製に成功 概要 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の大塚英幸教授とLu...
View Article新方式ライダーの開発に成功 連続光の相関を制御、高速振動の分布検出が可能に
要点 従来の光測定では、長距離の測距と振動分布の検出を同時に行うことは困難であった。 本研究では、連続光の相関制御により測定を行う「相関領域ライダー」を開発し、測距と高速振動の検出を同時に行うことに成功した。 将来的には、流速分布測定への応用を通じ、感染症対策への貢献が期待される。 概要 東京工業大学の中村健太郎教授は、横浜国立大学の理工学部4年生...
View Articleプラスチックを肥料に変換するリサイクルシステムを開発 プラスチックの廃棄問題と食料問題の同時解決に向けて
要点 植物を原料としたプラスチックをアンモニア水で分解し、肥料となる尿素に変換するリサイクルシステムを開発 リサイクルシステムで生成した尿素が植物の成長促進につながることを実証 プラスチックの廃棄問題と人口増加に伴う食料問題の同時解決にも期待 概要 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の阿部拓海大学院生、青木大輔助教(科学技術振興機(JST)さきがけ研究者兼務)、大塚英幸教授らは、東京大学...
View Article多摩美術大学、一橋大学と連携して価値創造人材育成プログラム「Technology Creatives Program(通称テックリ)」を2022年度から開講
2021年度文部科学省の「大学等における価値創造人材育成拠点の形成事業」で、東京工業大学が事業責任大学となり、多摩美術大学、一橋大学と連携して推進する「Technology Creatives Program(通称テックリ)」 が選定されました。...
View Article可視光全域を利用できるレドックス光増感剤を開発 低エネルギーの光によりCO2を還元
要点 近赤外線を含めた可視光の全波長領域を利用できる前例のないレドックス光増感剤を開発 光のS-T吸収(励起三重項状態への直接遷移)が可能なオスミウム錯体を用いたレドックス光増感剤 CO2を、化学原料として有用で、またクリーンエネルギーである水素の生成と貯蔵に用いることのできるギ酸に還元 概要 東京工業大学 理学院...
View Article組織の細胞集団に潜む幹細胞のエピゲノム解析手法を開発 がん組織の精密プロファイリングに成功
要点 分子の移動度を評価する統計モデルを組み合わせることで、幹細胞のように多数派細胞に埋もれた少数派細胞も含めて組織全体のエピゲノム情報を解析できる新たな解析技術を開発した。 3 mm×3 mm×10 μmの小さな組織切片1枚から高感度かつ高精度なエピゲノム情報が取り出せる。 従来法より細胞の損失が少なく、細胞にストレスを与えにくい。 概要...
View Articleシミュレーションでスケートボードの技の力学的メカニズムを解明 効率的な指導やボード開発への応用に期待
要点 スケートボードの基本的なトリック(技)である人とボードが一緒にジャンプする「オーリー」の力学的メカニズムを独自のシミュレーション技術により再現。 ボードが浮き上がるのは、スケーターの後足の踏み込み時に、てこの原理によりボードの重心が上向きの速度を持つため。 効率的なトリックの習得や指導、さらにはボード開発への応用が期待される。 概要 東京工業大学 工学院...
View Articleペンギンが翼をしなやかに変形させ、効率よく泳ぐメカニズムを解明 ペンギン型水中推進ロボットへのバイオミメティクス応用に期待
要点 長崎ペンギン水族館にて、羽ばたいて前進遊泳するペンギンを最大14台の水中ビデオカメラで同時撮影。取得した動画により、世界で初めてペンギン遊泳の3次元運動解析を行い、推進力発生メカニズムを解明。 ペンギンの翼が羽ばたき中に曲げ変形することを初めて計測し、その曲げ変形が推進効率を約80%向上させることを流体力学計算により推定。...
View Article新しい半導体物質「硫化ホウ素シート」の生成に成功
概要 硫化ホウ素シートは、ホウ素と硫黄から構成される原子4層の厚みの二次元状に広がった物質で、優れた熱電特性や水素吸蔵特性を示すことが理論的に予測されていました。しかしながら、これまでに実際に合成あるいは観測された報告はありませんでした。本研究では菱面体硫化ホウ素という層状の物質の表面を剥離することにより、硫化ホウ素シートの生成に成功しました。...
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